雨空

 今年は気がつくと、もう梅雨に入ってて、もしかして暦通りなのかもしれませんが、最近の半月から一月遅れの季節になれきっていた感覚からすると、この梅雨入りは意外な早さでした
 バタバタしてて、色々ほったらかしですみません。

 氷室冴子さんが亡くなられたんですね。携帯開いたら、トピックニュースで流れて、一瞬、我が目を疑いました。
 大好きな作家さんでした。中学、高校とリアルタイムで読んでいたので。
 コバルトの作家さん達の中では、断然、氷室冴子さん派でした。「雑居時代」とか「クララ白書」「アグネス白書」なんかは、それこそ折り目がつくほどに何度も読んでました。「ざ・ちぇんじ」や「なんて素敵にジャパネスク」で、お腹抱えるほどに笑って、ただの教科書の中にある歴史でしかなかった平安時代に親近感を覚えたのも、ひとえに氷室さんのおかげです。「北里マドンナ」あたりまで、リアルタイムに読んでたんじゃないでしょうか。
 
 最初に稚拙な小説もどきを書いたのは、もっぱら、氷室さんの小説に憧れて。中学の時に、同級生にちょっと見せてたような(とてつもなく恥ずかしい過去ですが…)。普通に男女の学園ラブコメの冒頭だけで未完でしたが、同級生がまたすごくいい子で、恥ずかしくなるほど誉めてくれて、そこで小説書くのは面白いんだと子供なりに思ったことを、その時、誉めてくれた友達の顔や声まで、氷室さんの作品名と共に思い出しました。
 期せずして、今回の訃報で初めてお顔を拝見しました。学生の頃の私にあんなにたくさんの笑いやドキドキを下さったのはこの方だったのかと、ずっと昔から知っているのに、初めてお会いするような不思議な感覚を覚えました。
 多分、氷室さんがいらっしゃらなかったら(そして、あの時誉めてくれた友人の存在がなかったら)、私の人生に小説家っていう選択肢はなかったと思います。
 それぐらい、私の中では存在の大きな作家さんでした。ご冥福をお祈りしたいです。

 中学の頃は、初期の「さようならアルルカン」などは暗いなぁと一読したきりで敬遠していたのですが、今読んでみたら、またそのおもしろさもわかるのかもしれないですね。
 実は後ろの本棚に、実家から持ってきた「クララ白書」や「なんて素敵にジャパネスク」がまだ並んでいたり。

 「雑居時代」、また探して読み返してみようと思った、雨の日でした。
  

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